不満を心に抱き、転職しようかなと常日頃から思っていても変わらぬ日常を過ごす人は多いようです。
本気で現状を変える気が無いのなら、つらつらと不満を思い募るのは消耗の種です。消耗の末、憔悴(しょうすい)してしまうより、思い切って、自分と向き合って、
- 本気で転職を考えるのか
- 不満を飲み込んでしまうのか(愚痴はこぼさないと決める)
決めた方が精神衛生上も良いですし、実り多い人生を歩むことができるでしょう。
転職の勧め
在職中に日々つらつらと転職を考えているあなたに向けたものです。
どの職場にも不満は付き物
完璧な職場はありません。
株式会社テンポスバスターズという「外食産業における設備・備品の『総合サプライヤー』」(同社の説明のまま)があります。
同社でテンポスポリシーとしてテンポス精神17カ条が紹介されているのですが、第四条で「フリーエージェント・ドラフト制」として以下のように謳われています。
上司が嫌なら店を替われ、そこでも嫌ならまた替われ。何度でも替わってみろ。テンポスはフリーエージェント制だから。
だがそのうち気づくだろう。理想的な上司や職場などないということを。
自分で切り開いたところにしか「やりがい」はないということを。
店長は、気に入らない使いにくい部下は他の店に放り出せ。テンポスはドラフト制だから自分の納得のいくまで何回でも人を入れ替えろ。
だがそのうち気づくだろう理想の部下などいないということを。(改行は筆者)
いかがでしょう。完全無欠の職場は無く、職場での不満の多くである人間関係における一面の真理を端的に示しています。
不満を持つことは悪いことではない
不満があるというと倫理的な意味などでネガティブに(否定的に)受け取られるかもしれません。
- 不満
- 満足できないこと。あきたりないこと。
(岩波国語辞典 第六版)
字義からすれば、何ら満足できない、あきたりないという意味以上のネガティブな要素は無く、単に満足できないという状態、あきたりない状態を示す言葉です。
自らが置かれている現状をきちんと認識した上で不満を持っているのであれば、不満は現状打破(げんじょうだは)の礎(いしずえ)になります。
というのも不満を持つということは、現状に照らす「何か」があるということで、在るがままの現状を甘受することに比べ、向上への指向性が窺われます。
自分を騙してはいけない
自己欺瞞(じこぎまん)に陥ることなく、あなた自身の置かれている環境を正しく理解するという観点で、自分が不満を持っていることを認めることはとても大切なことです。
正しく認識した上で、その不満を飲みこむのか、現状を変えるのか判断するのです。
転職には現職場に一定以上の不満が必要
テンポス精神17条の第四条で紹介した通り、どの職場にも不満は付き物です。
どの職場にも不満は付き物であるということを踏まえた上で、一般に考えられる以上の不満、つまり異常と認める状態にあり、現状を変える必要があると判断するならば、躊躇(ちゅうちょ)してはなりません。
社内で不満を解消することが難しいのであれば、転職するしかありません。
待遇面の不満であれば、事前に調べてみることをお勧めします。転職したら待遇面が改悪になったということでは目も当てられないからです。あなたの不満が理にかなったものであるか、単なる不平不満であるかを見極めるためにも、事前調査をお勧めします。
転職の妥当性を測る
転職する際には新卒と異なり、一定のキャリア(職務経歴)があります。ですから、転職市場におけるあなた自身の市場価値、つまりは年収(年俸)いくらが妥当であるかを測る尺度があることを意味します。
従って、年収の相場や転職市場の状況を確認する意味で、いくつか転職エージェントに登録し転職コンサルタントと面談するのが良いでしょう。
転職エージェントでは、あなたに合った求人を紹介してくれます。具体的な求人をいくつか見ることで、その求人に設定された年俸から市場価値を知ることができます。一方で、転職コンサルタントから、漠然といくらくらいが妥当と考えられるといった漠然とした年収の相場感を聞くこともできます。ちなみに転職エージェントの利用は無料です。
あなたの真意は・・・
あなたの正直な気持ちを教えてください。
今、転職エージェントの話、つまり登録して転職コンサルタントに面談に行き、あなた自身の転職市場での市場価値を測るという話を聞いてどう思いましたか。
仮に面倒だと思ったならば、あなたが考えている転職は、それ程切実なものでなく、単なる現実逃避である可能性があります。
何故かというと、本当に転職すべきか否かで悩んでいたならば、解決策を求めている筈だからです。解決策が示された時、手間が問題になるかどうかが試金石です。面倒に感じるならば、真剣さに欠けると判断せざるを得ないというわけです。
課題解決で手間が気になるなら真剣さが足りない証拠
先にお話ししたように不満が正しい現状認識に基づくもので、現状を改善するという確かな課題があるのなら、真剣に取り組まなければなりません。
こんな具合に徒に(いたずらに)悩んだフリをしても意味がないのです。
対処すべき課題には対処する。すべきことは全てする。そんな心構えで取り組まないのであれば、単に愚痴をこぼしているのと同じです。
絵に描いたようなダメ人間
社内にいませんか?
会社について愚痴や不満ばかりこぼしては仕事をしない。それにもかかわらず転職しようという気配もない。しかも既に古参の部類に属する。そんな社員を・・・。
あなたにはそんな人間になってもらいたくありません。
不満を愚痴にするな!不満は課題解決の原動力だ!
転職は成り行きでするものではありません。転職はきちんとしたあなた自身の決断に基づいて行わなければなりません。
その為には、単に思い悩むだけでなく、きちんとあなた自身を取り巻く環境を精査し、あなた自身のキャリアを整理し、転職のエキスパートに転職環境を確認するなど、秩序だった方策を採らなければならないのです。