スカウトメールに惑わされない
最近、転職サイトで、転職エージェントから送られてくるスカウトメールは、以前に比べてかなり質が落ちたように感じます。
以前は、といっても5年以上前の話ですが、転職エージェントからスカウトメールに返信すれば、翌日には連絡があったのが常でした。3日待った記憶は余りありません。
スカウトメールという名のDM
転職エージェントではありませんが、スカウトのメッセージを無差別に送っているという企業は実際に存在します。現実に、無差別にメッセージを送らせたと或る企業の社長からの告白を直接聞いたものですから、紛れの無い事実です。
転職エージェントから送られてくるスカウトメールの実情も、大同小異のような(あまり変わらない)気がします。さもありなん(そんなこともあるだろう)と云った感じがするのです。
適職紹介のマッチングが存在意義の転職エージェントで機械的作業が・・・
検索時にいくつかの設定項目にチェックを入れ、検索結果で現れた対象者に軒並み(スカウト)メールを送りつけているのではないかと疑われます。
転職コンサルタントとは、別の人が、ラフに(大雑把に)検索し、スカウトメールを送りつける。スカウトに応募し、喜び勇んで面接に出かけて行ったら、募集要項の必須項目を満たしていないことが判明した。それも初歩的な部分(基礎的項目)で・・・ということも体験しました。
先方からは謝罪を受けましたが、失った時間と交通費は帰ってきませんし、落胆した気持ちの置きどころはどうしてくれるのでしょうか。
これではスカウトメールという名のDM(ダイレクトメール)です。一種のスパムメールと言っても差し支えないのではないでしょうか。
忙しいは理由にならない
5年以上前の時期と比べれば、転職市場は活況を呈しており、転職エージェント、つまりは個々の転職コンサルタントが多用なのは分かります。それでも、面談に招くに当たっては、紙面でチェックできる程度の必須項目クリアの確認はすべきではないでしょうか。
また、自らがスカウトメールを送った以上は、スカウトメールというものの本質を考えて、早々に返信・連絡すべきではないでしょうか。
転職活動中の人にとって、スカウトメールは、少なくとも一定の希望、期待を呼び起こします。そして多少なりとも思いを込めて返信してきています。
返信後に初めて職務経歴書を閲覧しているとの疑いも
スカウトメールで応募した際に、連絡が来ない場合があります。これは応募時には職務経歴書をきちんと閲覧しておらず、それこそ先述のように検索した結果、無差別にスカウトメールを送っており、応募があって初めて選考するということです。
要するに転職サイトを正しく使っておらず、単に名簿の購入ぐらいにしか考えていないということです。非礼なことこの上ありません。
スカウトメールDMの見分け方
このようなDMやスパムメールとしか言いようのないスカウトメールの特徴は、求人票が添付されてこないことです。
求人票
あなたに紹介できる求人案件が有ってのスカウトメールであれば、あなたの関心を引くためにも求人票を添付してきます。
仮に非公開求人の中でも非公開の度合いが高く、名前を出せないだけでなく、求人詳細も明かすことができない場合でも、知らせられる範囲で知らせてくるものです。
スカウトメールDMが来たらどうするか
先ずは、求人票の有無で真正のスカウトメールかスカウトメールDMの疑いがあるかを見極めてください。
真正のスカウトメールと判断されるとき
真正のスカウトメールであれば、求人票を見て通常通り判断すれば良いでしょう。
仮に応募に相応しい求人でないと判断した場合は、丁重にお礼を申し上げるとともに、辞退の理由を申し上げ、他にも紹介いただける求人は無いか伺うのが良いでしょう。
転職コンサルタントが、他に紹介出来そうな求人がありそうだと思えば、面談に招待してくださることでしょう。
スカウトメールDMと疑われるとき
先ずはスカウトメールDMの疑いがあることをきちんと認識します。
返信が無い可能性のあるメールであることを意識します。つまり期待し過ぎて落胆しないための予防策です。
その上で応募することをお勧めします。
僅かな可能性も試す
可能性が低い上に、無礼な転職エージェントである可能性はありますが、それでも求人紹介を受けられる可能性はあります。
きちんとした転職エージェントである可能性はありますし、仮にきちんとした転職エージェントではなく、満足の行く転職支援は受けられないまでも、あなた自身がきちんと企業を見分けられれば、転職成功につながる可能性は有ります。
求人紹介をしてくれるメディアの一つ
きちんとした転職エージェントでない場合には、通常なら転職コンサルタントに期待する「転職活動のパートナー」としての役割や転職支援は、ほとんど期待できないかもしれませんが、あなたが一歩引いて、その転職エージェントに関しては求人紹介をしてくれるツールくらいに割り切って利用してしまえば良いのです。
疑わしくとも、信頼できなくても、使える部分は使うという基本姿勢を取ることは、転職成功への近道です。
引く手あまたのあなたなら
もちろん、あなたが引く手あまたで、引き合いに困らないのでしたら、求人票が無い時点で、辞退しても良いでしょう。
転職活動の基本は、あらゆる可能性を取り入れることではありますが、手が回らないほどの引き合いがあるのでしたら、スカウトメールDMの疑いが残る効率の悪い引き合いは除外するのが賢明というものです。
いずれにしてもスカウトを待つよりも、スカウトに期待するよりも、あなた自らがアクションを起こした方が良いのではないですか!?
但し、貪欲に使えるものは使うということも転職活動では大切です。
スパムめいたスカウトメールを送りつける転職エージェントを槍玉にあげましたが、このようなものを送りつけるのは極めて質の低い転職コンサルタントだけです。ですから転職エージェントを利用しない理由にはなりません。>> 転職エージェント抜きでは勝負にならない|考えて転職
成功の転職活動で紹介しているような転職エージェントからはスパムめいたスカウトメールが発信されることは無いでしょう。スパムめいたスカウトメールを無数に送り出すのは、一部の中小規模の質の低い転職エージェント特有の現象です。
転職サイトは今や強力なツールの一つですが、アプローチを受ける際に、以上のような迷惑行為が起こり得ると頭に置いておくだけで、不必要に煩わされることは少なくなるでしょう。