ステマ時代の転職活動の歩き方|やっぱり口コミを信用してはいけない

口コミは当てにならない

「転職サイトに事実無根投稿、投稿者名開示を命令」という記事が読売新聞のYOMIURI ONLINEに掲載されました。[2017年08月23日]

転職サイト!?と興味を持ったわけですが、転職会議という口コミ情報が集まったウェブサイトなのですね。

転職エージェントの口コミ情報が当てにならないことは、¶ 転職エージェントを口コミやランキングで選んでがっかり・・・なんで!? で詳しくお話ししたのですが、求人企業の情報についても同様なのです。

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転職会議を巡る騒動

転職希望者にとって、読売新聞に掲載された事件自体を一々取り沙汰しても意味はないでしょう。一方で、記事中の『転職会議』の投稿を巡っては、削除などを求める会社などとの間で訴訟に発展するケースが各地で相次いでいるについては知っておく意味があるのではないでしょうか。

「転職会議」は会員制です。匿名のままで口コミ情報を閲覧することも記載することもできます。口コミを閲覧する為には、お金を払うか、口コミ情報を書きこむ必要があります。

閲覧できるようになることが、口コミ投稿の一つの動機となっています。

匿名性について

匿名のままでいることも可能ですが、実名を登録し他の転職サービスを利用することもできます。ところで、¶ 入社前に出来ること|転ばぬ先の杖で、「※ 匿名で口コミを書き込むつもりの場合、履歴書や、職務経歴書を登録すると完全な匿名ではなくなることにご留意ください。(念の為)」と注記したのは、今回のような事件に巻き込まれる恐れ想定してのことでした。※

※ 実際には、今回の原告企業である徳島市の企業が、プロバイダーに求めたように、匿名でも投稿時のIPアドレス(インターネット上の住所)などの開示などで特定されるリスクはあります。勿論、客観的な事実に基づいて記載していれば、争うことも可能でしょう。

ところで、転職希望者にとって問題なのは、事実に基づいて書かれていない口コミ、誹謗中傷としてなされた書き込みです。事実が正しく伝わらないばかりか誤った判断に導かれてしまうからです。

口コミの動機

口コミ情報を閲覧する立場からは、口コミ情報を記載した動機に注目するのが良いでしょう。実名記載であれば、誰も彼も悪く言うような一部の人格障害者は別として※、一般にはあまり極端なことは書かないものです。

※ 近年は該当する人が増えました。Yahooニュースのコメント欄を見ても、Facebookで実名が紐付けされているにもかかわらず、幼稚或いは稚拙な書き込みが散見されます。

ところが、匿名だとみなさんご存知のように、2ch(2ちゃんねる)よろしく、悪口雑言の限りが尽くされることも多くなります。

ステマという動機

また、匿名登録が可能であれば、所謂ステマ(ステルスマーケッティング)も可能です。つまり、情報操作を目論んで、悪意に満ちた書き込みを行ったり、意図的に持ち上げるような提灯記事を書いたりすることもできるのです。

ステマでなくとも、人は恨みつらみがあるか、誉めたいか、何らかの動機が無いと極端なことは書かないものです。

半匿名、半実名

転職会議はその辺が中間的です。実名化も可能ですし、仮に匿名を選ぶとしても、匿名とは言え、過去に勤務した企業や現在働いている企業の口コミを書けば個人を特定される要素があります。従って、完全な匿名とは言えないのです。ですから、単に悪口雑言を尽くすことは考えにくい※とも言えるでしょう。

※ 実名でも稚拙な書き込みを平気でする人々の比率が増殖していることは既に触れた通りです。

円満退社の難しさ

「現実には円満退職など存在しない」とは、或る会社社長から聞いた言葉です。離職率の高い企業で、しばしば社長がこぼすのを耳にしました。

意味するところは、必要な人材に辞められれば、会社は困る。会社に必要の無い人材を辞めさせれば、辞めさせられた方が困る。だから、どちらにとっても良いということは有り得ないということです。

そう考えると、一定数の退職者には恨みつらみがある。だから、恨みつらみを動機とした書きこみも一定数は発生すると考えられるでしょう。

それに、そもそも口コミというものは公明正大を旨として書かれるものでは無いのだということは肝に銘じておく必要があります。

口コミは一方的

何となく目にするWEBの口コミ情報ではありますが、基本的にその本質は一方的なものであるということです。

今回の読売新聞の記事で、再認識したいのは、当たり前のことではありますが、企業側にも相応の言い分があるということなのです。

あなたが口コミ情報に惑わされて、あなたに相応しい転職先とすれ違いにならないことを願っています。


入社前に出来ること|転ばぬ先の杖でも、口コミ情報の怪しさについて触れています。

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