ブラック企業を紹介してしまう現実
あなたも転職先にはブラック企業を選びたくないですね。
転職エージェント(人材紹介会社)もブラック企業を紹介してしまうことはあります。
残念ながらすべての転職エージェントにブラック企業を紹介してしまう可能性は有ります。
※ 少し堅い話が続きますが、途中から面白い話になります。
※ 内容を充実させたので若干長めです。ブックマーク推奨!!
ブラック企業がデータベースに登録される理由
「ブラック企業を紹介するな」というクレイム|労働調査委員会(外部リンク)に詳しい説明が有ります。
上掲のリンク先から引用しながら、内容を一部ご紹介します。
全件受理の原則
ハローワークでも民間職業紹介業でも、職業安定法により「全件受理の原則」というものがあり
つまり、転職エージェントは全ての依頼を受け付けなければならないので、当然に、ブラック企業からの紹介依頼も受け付けなければならないということです。
虚偽記載を見抜く手立ては十全ではない
民間事業者は受け付けた求人票の記載事項についてその真偽を確認するすべが殆どなく
しかも、転職エージェントも募集要項などの真偽を確認する手立てが必ずしも十分にあるわけではないのです。
求人情報の「行間」を埋める試み
良心的な人材紹介事業者は、民間ならではの様々な工夫をして、求職者の方々、スカウト対象人材の方々に、法定の「求人票」には掲載しきれないご紹介先の企業の職場環境の様々な情報を提供しています
しかしながら、転職エージェントの求人企業担当者は、実際に、求人企業と接点があり、接触がある訳で、それそれがノウハウを持ち、求人企業がどのような企業であるかを探り、担当企業の情報を手に入れます。
そして、転職コンサルタントは、その情報をもとに募集要項の文面からは、読み取れない情報を提供することで、転職希望者がブラック企業を避けられるよう求人企業の情報を伝えるのです。
良心的な人材紹介事業者はとありますが、人材紹介事業者(転職エージェント)というよりも、個々の転職コンサルタントによるところが大きいと考えられます。
職業倫理といいますか、転職コンサルタント個個人(ここじん)の良心に依存します。
こうして転職エージェントの求人案件データーベースに、ブラック企業が登録され、場合によっては、紹介される事態が生じます。
ここまでは、ブラック企業が紹介されてしまう現象の解明です。
そして今度は、それでも「なぜ転職エージェントの活用を勧めるのか」をご説明しましょう。
ブラック企業が混入しない求人媒体は無い!
先にお話しした通り、全件受理の原則が存在するので、残念ながら、ブラック企業も他の企業と同様に、あらゆる求人メディアに露出することができます。
ブラック企業の掲載が無い求人メディアは無い!
求人雑誌然り、新聞の求人欄も然り、フリーペーパーの求人コーナーも然り、ハローワークの求職情報も然りです。
従って、あなたは、一度(ひとたび)求人情報を目にしたら、あなた自身が、ブラック企業か否かを判別し、ブラック企業を避けなくてはならないという現実があるのです。
転職アドバイザーが勧めてくるんです!
あなたがおっしゃりたいことは分かります。
ブラック企業の求人案件が紹介されるのが大問題!!
単にブラック企業の求人案件が、存在するだけではなくて、あなたに推薦されて、あなたに近づいてくるということは確かに大問題かもしれません。
それでもです。
それでも転職エージェントは活用すべきなのです。
転職エージェントは活用すべき
ブラック企業が紹介されるという理由で、転職エージェントを活用しないとすれば、失うものが大きすぎます。それくらい転職エージェントがもたらす利益というものは大きいのです。
転職エージェント抜きでは勝負にならない」というのが、本当のところです。
あなたのライバルは、転職コンサルタントの添削指導を受けて、洗練された応募書類を提出。一方で、あなたは自前で作成し、第三者のチェックを受けることも無いとしたらどうでしょう。しかも転職エージェント利用の優位性はそれだけではないのですよ。
おさらい
ここまでのお話は
- 転職エージェントの求人データの中に、ブラック企業が含まれるのは他の求人媒体とと同じだから問題なし(仕方ない)
- 転職エージェントがブラック企業を紹介し、勧めることが問題
ということです。
ブラック企業を避けられさえすれば良い!
あなたが求めるのは、ブラック企業を避けることです。
紹介されても、ちゃんと避けられれば良いのです。
転職コンサルタントの立場を考える
転職コンサルタントがなぜ、あなたにブラック企業も紹介するのかを考えてみれば良いでしょう。
実際のところ、転職コンサルタントが紹介している企業が、ブラック企業であることを知っている場合と、ブラック企業であることを知らない場合に分けて考えてみましょう。
ブラック企業であることを知っている場合
あなたに転職コンサルタントがブラック企業を紹介する動機は2つ考えられます。
紹介実績を作りたい
一つはそのブラック企業に紹介を催促されている状況が考えられます。
例えば、転職エージェントの中で、ブラック企業にも担当者はいます。
それが同僚や上司などの場合もあるでしょうし、転職コンサルタント自身の場合もあるでしょう。
求人依頼を受けつけているのは、そのブラック企業が人を欲しがっているからです。ですから、再三にわたって、早く人材を紹介してくれと催促されていることが考えられます。
紹介してもいないのに、紹介したけれども応募したいという人材がいないとは言えませんから、「紹介しました」という実績を作っておきたいと考えているということです。
「紹介先に応募する」、「応募しない」、「入社する」、「入社しない」は、あなたの任意ですから、紹介されたこと自体は問題ではないはずです。あなたは断れば良いのです。転職コンサルタントからすれば、「紹介しました」、でも「断られました」で義理は立つと言えるでしょう。
そう、ブラック企業を紹介されても、あなたはブラック企業を避けさえすればよいのです。
もちろん、どのような企業であるかが分かるだけの情報は転職コンサルタントからいただく必要がありますし、この場合ならば、転職コンサルタントが、ブラック企業であることが分かるように仄めかす(ほのめかす)か、何らかの暗示をくれるでしょう。
従って、この場合は心配は要りません。
転職コンサルタントが成績を上げたい
転職コンサルタントがブラック企業を紹介する考えられるもう一つ動機は、紹介して就職させ、自分の成績につなげたい場合です。
ブラック企業は採用のハードルが低いことが多く、転職希望者を送り込めば、容易に採用されることでしょう。
面接回数なども少ないことが多く、採用決定までの時間も短いことが多いです。
この場合は、もちろん、転職希望者にとっては論外の状況です。
このような不心得者(ふこころえもの)の転職コンサルタントとはお付き合いすべきではありません。
転職コンサルタントに限らず、この手の輩(やから)を見抜く術(すべ)は、社会生活を通して身に付けていかなければなりません。※
※ 社会生活を通じて身に付けていくなどと言うと、実も蓋も無い話に感じるかもしれません。しかしながら、これは社会生活においては避けられない部分で、だからこそ社会一般で、社会経験が重視されるのです。
だからブラック企業を紹介される可能性があるという理由で、尻込みしてはなりません。外に出れば、車に撥ねられるかもしれない、飛行機に乗れば、墜落するかもしれないと、心配ばかりして表に出ないのと同じことです。そう言えば、中国には、天が崩れ落ちてきはしないかと心配していた人が居ましたね。杞憂です。
求人企業を紹介された時点で、転職コンサルタントにきちんと企業について質問することで、なんとか察知していく必要があります。。
選ぶべきは転職コンサルタント!転職エージェントでは無い!
これまでの説明からも解るように、転職活動を成功させるためには、「どこの転職エージェントを選ぶか」ではなく「どの転職コンサルタントとお付き合いするか」が大切です。
どの転職エージェントにも、不心得者(ふこころえもの)は居ると考えておいた方が良いからです。
転職エージェント選びでは無く、転職コンサルタント選びに気を遣ってください!
極論すれば、どのような求人情報を保有しているかは登録し、紹介依頼してみなければ分かりませんから、ある程度規模の大きな転職エージェントであれば、迷わず登録してみれば良いのです。※
登録でお金が掛かるわけでも無し、特に失うものはありません。求人情報と出会う機会は確実に増え、良いこと尽くめです。少なくとも登録していない転職エージェントが保有している独占求人には、出会うことはできません。
転職コンサルタントを正しく選ぶこと=ブラック企業を避ける道
信頼を置く転職コンサルタントを間違えなければ、転職コンサルタントがブラック企業と知っている場合には、ブラック企業に送り込まれることはないわけです。間違っても不心得者の転職コンサルタントは信頼しないようにしましょう。
続いて、転職コンサルタントがブラック企業であることを知らない場合についてお話ししましょう。
ブラック企業であることを知らない場合
この場合は、そもそも転職コンサルタントがブラック企業であることを知らないのですから、あなたにブラック企業を紹介していることなど転職コンサルタントにとっては与り知らぬところです。
これは作為的に紹介しているわけではないので、仕方のないことです。
でも転職を希望するあなたにとっては、仕方が無いと言ってはいられません。とんでもないことですよね。
この場合に、あなたがブラック企業を回避するには、あなたと紹介している転職コンサルタントとの間ではもはや解決できません。
しかしながら、転職は人生の一大事ですから、おいそれとブラック企業に転職するわけには行きません。
転職活動を仕組み化する
そこで、転職活動をシステマティックに行うことをお勧めしたいのです。
1人ではできないことでも何人か集まればできることも有ります。
諺(ことわざ)にも、「三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)」というのが有ります。
凡人でも3人集まれば、すごい知恵が出るものだということです。
残念ながら、転職コンサルタントを一所(ひとところ)に集めることはできませんけれども、複数の転職コンサルタントとお付き合いすることができます。
転職コンサルタントのポートフォリオ
そうです、複数の転職エージェントとお付き合いすれば、その数だけの転職コンサルタントとお付き合いすることができます。
一か所に集めたような知恵は出ないかもしれませんが、人数分の情報を得ることができます。
こうすれば、先にお話しした不心得者の転職コンサルタントが混じり込んだとしても、他に良心的な転職コンサルタントから情報や意見をもらうことで、問題を解決できます。※
※ ある転職コンサルタントから紹介を受けた求人企業から受けた違和感などを紹介してくれた当事者である転職コンサルタント以外にも意見を求めることができるのです。
例えば、これまで勤務していた業種から他業種に移ろうと転職活動している場合に覚えた違和感は、根拠のあるものかもしれないし、ひょっとしたら、新たな業種では普通のことかもしれません。実際に複数の転職コンサルタントに相談してみると判りますが、転職コンサルタントによって様々な意見が聞かれると思いますよ。
応募する企業が決まったら、情報収集できるように、複数の転職コンサルタントとの関係(コネクション)を確立しておくのがお勧めです。
これは求人情報網を広げるメリットも同時に享受できます。
転職コンサルタントから情報を集める上で、注意が必要なことがあります。非公開求人の場合、転職エージェントから紹介されている企業名や求人の存在を他の転職エージェントに明かしてはならないということです。
ブラック企業の求人は大半は公開求人と考えられますので、情報は得やすいのではないでしょうか。
- すべての求人メディアにブラック企業は混在
- 転職エージェントはブラック企業を避けることはできない
- 転職活動で転職エージェントを活用しないでは勝負にならない
- 転職コンサルタントとの遣り取りでブラック企業を避ける手掛かりを得ることはできる
- あなたはブラック企業を避けることができる