給料が安過ぎる!求人情報の嘘に学ぶ騙しのテクニック

嘘つき

転職希望者は、求人情報として記載された募集要項を頼りに応募するか否かを決定するでしょう。

或る意味で、募集要項は、転職活動に於ける唯一の拠り所とも言える存在だからです。そこから職種、職位、業務内容、そして給与、休日、勤務時間などを含めた待遇を窺い知ることができます。

ところで、その募集要項に記載された内容が、誇張されていたり、嘘ばかりだとしたらどうでしょうか。

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求人情報の嘘に学ぶ騙しのテクニック

或る飲食店の求人にとんでもない騙しがあることが判明しました。大手企業の求人情報でしたのから、飲食店以外の業種の募集要項を見るのにもきっと役に立つでしょう。近頃、残業時間込みで給与が表示されている求人をしばしば見かけますね。

或る転職希望者に起こった出来事を軸にお話を進めて参りましょう。

月収30万円は残業80時間込み!?

転職に伴って職種転換を図り、以前に少しだけ経験のあった仕事に転職しようとしました。

求人広告では、未経験で月収28万円以上と謳われていたことから、28万円以上もらえるのならと、応募を決めました。

幸いにして誇るほどの経験は無かったものの、多少の経験を評価してもらうことが出来、月給30万円の給与提示を受けました。

給与の基準は過労死ライン

ところで、面接で、「基本給は168時間乃至176時間を想定しており、それに46時間の残業、更に34時間の残業を二段重ねで見込んでおり、そのトータルした給与金額が、未経験での28万円と云う説明を受けました。

要するに残業時間80時間を含めた給与が募集要項に謳われていた金額です。

因みに、残業時間80時間は、所謂、過労死ラインです。

募集要項の給与額が、過労死ラインを基準として表示されていることに驚きを禁じ得ません。

時給がパート・アルバイトより低いの!?

更に、時給計算してみると驚くことが分ります。ご存知のように残業代は定時労働の1.25倍で計算されますし、20時以降午前5時までの労働は、深夜残業となり、1.5倍で計算されます。

計算を簡単にするために、深夜残業は発生しないものとして計算しても、

300,000円÷(176+46×1.25+34×1.25)時間≒1,086円/時間

となり、時給は1,086円です。この会社では、パート・アルバイトが1,100円で募集されていたとのことですから、正社員はパート・アルバイトよりも給料が安いということになります。

しかもこちらは飲食店で、勤務シフトの面で、パート、アルバイトの希望がが優先的に組み込まれるそうです。パートも一定時間勤務すれば、社会保険に入ることになりますから、正社員になるメリットは皆無と言えるでしょう。

会社の休みで給与減

更に、このような時間計算であるということは、長期休暇、例えば夏休みや冬休みなどを取得すれば、休んだ分だけ給料は減るということになります。要するに月に決められた休みの他は、有給休暇以外に休みは無いということです。夏休みは欠勤と変わらないということですね。

勿論、これは単に月給制と時間給制の違いに過ぎないのですが、正社員という名称に騙されるとパートやアルバイトよりも劣る待遇で迎え入れられる罠になっているということに気付かないと、大変な不利益を被るということです。

有名無実の勤務時間

法令遵守コンプライアンスのしっかりとした会社なら問題は無いでしょう。ところが、勤務時間が定時と関係のない会社もあります。

例えば、定時前に朝礼をやる会社などです。始業15分前や始業30分前など、定時前に出社させ朝礼や清掃をさせるのなら、本来は勤務時間に含めるべきです。たとえ5分でも毎日のことですから、塵も積もれば山となるで馬鹿になりません。

以前に、時間前に出社を義務付けている会社が有ったので、社長に異議を申し立てたことがありました。意義と言っても、どうこうしようというのでは無く、どう考えているのか確認した程度です。すると、

君、細かいねぇ。

と返ってきました。

同様に細かいと思った読者諸氏!あなたの認識不足です。

あなたが毎日5分遅刻をしたとして、社長が5分なら構わないと言ってくれますか。已むに已まれぬ事情で遅刻しても、遅刻は遅刻として、給与が減らされる場合すらあるのではないでしょうか。ですから、少なくとも5分早出を強いられたら、5分盗まれたという認識は、持つべきです。

無給の早出は時間が盗まれているのと同義と認識しておきましょう。

さて、では早出のある会社には、就職すべきではないのか。

仮に、あなたが早出の存在だけで、就職すべきではないと結論付けるのは短絡的過ぎます。

完全無欠の企業はありません。

5分なり、15分なり、30分なりの早出をあなたがどう解釈するかが重要です。

あなたは入社する前に、早出の事実を知っているのならば、それを織り込んで、会社の評価ができます。つまり、早出時間を勤務時間に組み込んだ上で、評価すれば良いのです。仮に9時から17時が定時の会社で、毎日30分の早出があるのなら、8時30分始業と読み換えればよいということです。

大切なのは、個々の事項では無く、トータルしてあなたにとって有利どうかということです。

期間の定めのない雇用ではないの!?

採用が内定して、転居が必要だったので賃貸物件の契約に際し、雇用契約書をもらいに行った時のことです。

正社員の募集で、面接でも家族的な経営が謳われていました。採用通知でも十分だったのですが、雇用契約書を用意してくれたのです。

印鑑を持って、雇用契約を結びに出かけたところ、驚くべき内容でした。

騙し打ち

契約期間が翌年春までで、契約の更新があり得るという記載だったのです。正社員に応募し、しかも家族的な経営を謳う社長だったので、まさかこのような契約書がおもむろに出てくるとは思いませんでした。

予兆はありました。雇用契約書を幹部クラスとも思われない従業員の一人に託していたことです。給与はたいていの場合、他の従業員には公開されないのが一般的だということもあります。また、大きな会社ではありませんし、社長が自ら執り行うのが妥当と思われる会社だということもありました。本質的には、面接での社長の言葉からの印象です。

逆ギレ

社長に電話を繋いでもらい、契約内容について確認すると、逆切れされました。話しが通じない人なのです。社長の印象は、面接時のそれから一変してしまいました。

どう考えても書面上の契約は重要ですし、社長とはきっとうまくやって行かれないと想像されました。ですから、不本意ながらも辞退する決断をしました。

実際、目先の利益に飛びつくあまり、大切な事を蔑ろにすると後で思わぬしっぺ返しを食います。給与も休日も充実していて申し分なかったので、残念ではありましたが、禍根かこんを残さないためにも入社を断念したのです。

事前に、きちんと契約内容を知っておくことの大切さが身に染みて分かるできごとでした。逆に、マンションの賃貸契約に雇用契約書が必要にならなければ、入社後に事態が発覚したことになります。その場合、著しい不信感が頭を擡げ、勤務継続は難しくなったことでしょう。入社前に分かったのは、不幸中の幸いです。


あらゆる事情について言えることは、知らないでいて入社後に知ることになると、不信の種になります。従って、全て入社前にきちんと確認しておくべきということです。

以上で紹介したような初歩的な躓きを避ける為にも転職エージェントは有効ですよ。

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