転職活動に負けない三つの心得（こころえ）

転職活動とストレス

在職中にしても離職中にしても転職活動はストレスの溜まるものです。

応募中の求人案件が、書類選考の通過や一次面接の合格と前進すると、自然と新しい生活への期待が高まります。そして、それが実現するのかどうか、とても悩ましい日々が続くのです。

そのまま内定にすんなりと行きつけば良いのですが、選考から漏（も）れてしまえば落胆します。そして、また一からのやり直し。同時並行で何社かの応募が進捗（しんちょく）していたとしても、やはりショックは大きいものです。

目の前の仕事もなんとなく仮初（かりそめ）のもののように感じてしまうこともあるでしょう。それでも、きちんとこなしていかなければなりません。頭では理解していたとしても、どうしても気持ちは浮ついてしまいます。

離職中であれば、在職中以上に、新しい生活への期待は高まってしまい、心が騒（ざわ）めいてしまうことでしょう。

選考の進み具合に翻弄

転職活動中は、選考状況の進み具合によって浮き沈みする感情の波に、どうしても翻弄（ほんろう）されがちです。

たいていの場合、翻弄される苦しみを既にリクルート時代、新卒での就活（就職活動）で、嫌というほど経験しています。だから就職活動、転職活動というとどうしても尻込みしてしまい、必要以上に構えてしまうのは無理もないことです。

ストレスの原因には事欠かず、マスメディア、特にウェブ情報では有用な情報、ためになる情報だけでなく、面白おかしく無責任に発信された記事やデマ情報も多いので、ストレス発生に拍車（はくしゃ）をかけます。。

不安定な心理状態に加え、情報が氾濫している世の中、確たる自分なりの軸足を持って転職活動に取り組まなければ、情報の波に翻弄されてしまいます。転職活動を完遂（かんすい）することすら難しくなるのです。

転職はチャンス【転職成功の心得一】

かなり明確なキャリアプランを持ち、周到にキャリアビルディング（職務経歴を作って行くこと）を行っているのでなければ、転職を考えるのは何らかの不満や危機に差し掛かった状態時であることが多いでしょう。

ともすると回復（リカバリー）を目的とし、負（マイナス）の状態からのスタートというイメージになりがちではないでしょうか。

キャリアプランに沿った、キャリアビルディングのための転職なら当然ですが、どのような形で始める［始まる]転職活動であっても、転職はチャンスと捉えることです。

ランクアップ

転職はとてもエネルギーがいることです。一般的に人は易きに流れるものなので、何かキッカケが無ければ、転職しようという思いに至りません。

こんな声も聞こえてきそうですが、転職はステップアップする好機なのです。年功序列も影をひそめ勤続年数に従ってまともに給与が上がる企業は少数派です。

一方で実力主義を謳っていても所詮は人間の評価です。正当だと感じられる評価を受けることは稀ではないでしょうか。そのような状況下で、転職を決意することで、あなたはあなたが正当と考える評価をしてくれる企業との出会いを求めることができます。

その際は、事前に転職エージェントで、あなたの転職市場での市場価値を聞いてみることです。※

自分の市場価値を聞いてみる

※ 自己評価は過大でも過小でも、得べかりし［本来、手に入れて当然の］成果が得られません。

在職中に転職を決意したのなら、転職成功時には今よりも良いことが待っているわけです。今より良くないのなら、転職を見送れば良いのです。離職中のあなたには、新しい生活が待っています。

転職の判断はあなたの掌中

転職するかしないかの選択権はあなたにあります。

状況改善を実現するために転職するのですから、わくわくした気持ちで臨むことです。仮に転職しなければならない状況にあるのだとしても、仕切り直しをして新たな気持ちで新たな環境に臨むことができるのですから、楽しいことだと認められるはずです。

心の中のわだかまりはこのように整理すれば、解決できるものです。

あなたを待っている人もいる

仮に転職を強いられているとしても、あなたが求められていない職場で働くより、あなたを求めてくれる職場で働くことの方が、遥かに幸せなことだとは思いませんか。

離職中でも同様です。改めて人生を再出発できる上に、人生を見つめ直す時間も手に入れられます。就業時には流れるように過ぎ去っていた時間も十分に活用することができるでしょう。これを一つの贅沢だと思いましょう。何かにチャレンジするチャンスでもあります。

優先順位の見直し

転職先として思い通りの職場を見つけることは簡単なことではないかもしれませんが、優先順位を見直すことはできるでしょう。給与より自由時間を選ぶとか、勤務地を自宅近くに求めることやＩターンやＵターンなど居住地域の変更も転職の機会なら比較的容易に実現できます。

人生の再設計も意のまま

人生設計をやり直すことすらできるのです。

転職の有利な面、楽しい面に注目して、積極的な気持ちで転職活動に臨むのです。そうすれば、重い腰を持ち上げて嫌々活動していた転職活動が、未来に向けた楽しい活動に変ります。

転職はチャンスなのです。（¶ 転職がもたらすものは幸せ！チャンス［外部リンク］）

人と比較しない【転職成功の心得二】

続いては人と比較しないことです。

人は人、自分は自分

高校時代、専門学校時代、大学時代の同期生や同僚や元同僚そして幼馴染などと自分を比較しないことです。比較すると折角の楽しい転職活動に水を差す結果になり、転職活動自体に不必要な迷いが生じます。

誰々は、同じ年なのに収入が多いとか、年下なのに稼ぎが多いとか人を羨んだり妬んだりしないことです。収入の多寡は能力を示すものではありません。況（ま）してや人間の価値を表すものでもありません。

野心のあるあなたは、仮に満足の得られない状況にあったとしても屈みの期間、つまり大きな飛躍の前の屈んでいる期間と理解しましょう。思いがあれば、思いが十分に強ければ、実現の瞬間（とき）は必ず来ます。

収入は、今現在、人々が金銭に換える価値があると思っているもの支払われているというだけのものです。

価値は収入では決まらない

例を挙げましょう。目の前に飲食店があるとしましょう。何でもいいです。例えばラーメン屋さん。あなたは入って食べることもあれば、入らないで通り過ぎることもあるでしょう。

ラーメン屋さんの価値、ラーメン屋さんのラーメンの価値は固有ですが、あなたがその時、ラーメンを食べたいか食べたくないかで、あなたがラーメンに一杯分のお金を支払うか支払わないかが決まるのです。あなたが食べたいか食べたくないかではラーメン一杯の価値は変わりません。※

仕事に関してのあなたも同様です。給料をいくらもらっているかでは、あなたの価値は決まらないのです。

人は人、自分は自分、あなたはあなたです。あなたが価値を見い出すことのできることを仕事に選びましょう。※

ノイズはシャットアウト

あなたはあなたの価値観で仕事を選べばよいのです。目先の収入よりも将来の収入を優先する選択肢もあり得るかもしれません。例えば、あなたが見出した将来有望と考えられる業種・分野に逸早く（いちはやく）就業することで、将来性を買って置くということです。謂わば先行投資ですね。

場合によっては必要な資格取得やスキル習得を優先するという選択肢があるかもしれません。いずれにせよ周りの人と同じようでありたい。同じ様に収入を得たいという感情は、大きなチャンスを逃す原因になるかもしれません。

無責任なマスメディアの情報に惑わされない

一般にもっと強力な迷いの原因は一般化された「ひと」かもしれません。

また、世間で騒がれているデマ情報、例えば、３０歳転職限界説や３５歳転職限界説などです。人は皆同じではありませし、１人として同じ人はいません。

それを十把一絡げ（じっぱひとからげ）に決めつけるのはどんな意図があるのか聞いてみたいところです。

３０歳以上や３５歳以上の転職希望者が世の中に存在することは統計的にもはっきりと見てとれる筈ですから、デリカシーに欠けると言わざるを得ません。

私の知っている限りでも、現実に定年間際、正確には５９歳で勤務先に義憤を覚え退職。その後、転職し、既に６０過ぎですが楽しく働いている人がいます。正社員です。

転職に限りませんが、結果は人との縁や運でどうにでも変わります。

転職は修行【転職成功の心得三】

転職活動を修行と思うということです。

転職活動に意義があることについては既にお話しした通りです。ストレスも溜まり、辛くもある転職活動ですが、人生における修行と捉えることをお勧めします。

修行については、転職先を見つける転職活動に限られたことではありません。転職先での就業も含まれます。

転職では、今まで働いていた会社という閉じられた空間から、一旦解き放たれて自由になり、外の世界と改めて接点を持ち直す試みでもあります。そして新しい居所を求めることです。

中学校から高等学校へ、高校から専門学校や大学へと進学した時も、自ら行く先を決め、新しい環境へ順応してきたことでしょう。これまでは年齢が進学するタイミングを決めてきましたが、転職ではあなたがこのタイミング（時機）を決します。

新しい居場所を作ろうとするのですから、困難が伴うのは当然の事と受け入れましょう。採用試験も進学時の入学試験のようなものです。

進学時と同様に行先が１つ決まればよいのです。

「たった１社に出会えさえすれば良い」と自分に言い聞かせる

転職活動が難航していると、悲観的にもなりがちですが、たった一つ、偶然でも必然でもなんでも良いから、あなたの希望条件を満たした企業から内定がもらえれば良いわけです。

たった１社で良いから、希望条件を満たした企業から内定をもらう。２社、３社から内定をもらわなければならなければ絶望的な気持ちにもなりますが、たった１社と思えれば、希望が見えてきませんか。

個人的な話で恐縮ですが、このように「たった１社で良いんだ！」「１社なら運命のいたずらでなんとかなるかも！？」といった感じで高まる不安を和らげたものです。そして、「この苦しみもいつかは笑って人に話せるときが来るんだろうな。」と自分に言い聞かせていました。

事実、今の私がそうしているのを見て、あなたの安心に換えてください！

この３つの心得を守れば、今度はあなたが笑って話せるときが来ます。